2020年4月1日。
大学病院宛の紹介状をカバンに入れ、朝8時半の受付に間に合うように家を出ました。
長い待合の時間、追加の検査などが終わり、会計を済ませたのは17時近く。
2週間後の4月15日。
夫に付き添ってもらい、検査の結果を聞きに病院を訪れました。
卵巣がん(ステージ1C)という医師のことばに様々な感情が入り乱れました。
ステージが1ならば、この後長く生きられる可能性があるかもしれない!という希望。
しかしそれと同時に、死への恐怖も襲ってきました。
私は両親ともにガンで他界しており、母方の祖母は卵巣がんでした。
遺伝子的に最強(?)癌家系。
ガンに対する恐怖心は、主人に比べてはるかに強く、どう声をかけられても、死への恐怖に支配され続けた1か月を過ごしました。
しかし、2020年4月~5月は、コロナウィルスで外出自粛を余儀なくされ、医療崩壊や、感染リスクといった暗いニュースに包まれていました。
有名人も他界されるというニュースが報道されていて、命の期限について、考える時間が増えました。
岡江久美子さんの報道は、特にガンを克服されている途中でのニュースだったので、いつ誰に起きても不思議ではない事として、生きている間に私は何が出来るのか?と、数日ずっと自問自答していました。
自分の人生はお先真っ暗だと悲観し、どうして私なんだろう?と天を恨み、私のどんな行いが悪かったのだろうか?と自分を責め続けながら、人生を終わらせたくない!
あとどれくらい生きられるかは分からないけれど、自分と周りに感謝して幕を閉じたい。
そして、出来るだけ残される人たちに、私が生きた証を残すと同時に、現実的に自分の貯蓄や残せる財産(生命保険)なども、伝えておかなくてはならない。
終活カウンセラーとして学び、エンディングノートは今までも付けていますが、命に向き合ったとき、やはり書きたい内容も、書きたい相手も、まったく異なってきます。
今までは当たり前に出来た事が(想像するだけでも)実行するのに時間がかかったり、物理的に出来なくなったり、経済的にあきらめなくてはならない事も出てきます。
2人に1人がガンにかかると言われながらも、自分は大丈夫と、私もどこかで他人事にしていました。
しかし、目の前に現実を突きつけられた時。
こんなにいろんなことを学び、身に付けてきたほとんどの事を自分は活かしきれていなかった無力と無知に気づかされたのです。
でも、これからは命がけです。
ガンをたたいて殺すばかりではなく、共生する道も探りながら「自分はどう生きたいのか?」と、QOLを大切に選択する時も訪れるでしょう。
今までは惰性だった一日が、命がけになったとたん、毎日毎日が貴重な限りある時間になりました。
これからは、手術経過とともに、自分をさらけ出しながらブログに私の終活を綴りたいと思います。